みなさんこんにちは!
前回の記事では、猫の肥大型心筋症(HCM)の原因と症状について解説しましたね。
ここでその内容を軽く振り返ってみましょう!
前回の振り返り
☑️ 肥大型心筋症(HCM)は、主に左心室の心筋が異常に厚くなる病気である。
☑️ 特にメインクーンやラグドールなどの猫種で遺伝的に発症しやすい。
☑️ 進行すると①呼吸困難②元気消失③動脈血栓塞栓症(ATE)を引き起こす。
☑️ 初期には症状を示さないことが多く、早期の診断と適切な治療・予防が重要。
思い出しましたか?
そんなわけで今回は
肥大型心筋症治療・予防編
についてご紹介します!
それではさっそく問題から行きましょう!
猫の肥大型心筋症(HCM)の管理において、特に有効とされる成分は ?
正解だと思うものをクリック!
以下ではさらに詳しい内容を解説したいと思います。
最後までぜひご覧ください!
1. 肥大型心筋症に有効な成分
肥大型心筋症の進行を抑えるために有効とされる成分には以下のようなものがあります。
- タウリン
心筋の正常な機能を維持するアミノ酸。タウリン不足は肥大型心筋症の一因となる。 - オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
抗炎症作用を持ち、心血管系の健康をサポートする。 - 抗酸化物質(ビタミンE、コエンザイムQ10)
酸化ストレスを軽減し、心筋の負担を軽減。
2. 肥大型心筋症の主な治療法
肥大型心筋症の治療は、進行度や症状に応じて異なります。
① 内科療法(薬物治療)
- β遮断薬(アテノロールなど)
心拍数を抑え、心臓の負担を軽減する。 - カルシウム拮抗薬(ジルチアゼムなど)
血管拡張作用を持ち、心臓の血流を改善する。 - 抗血栓薬(クロピドグレルなど)
血栓形成を予防し、動脈血栓塞栓症(ATE)を防ぐ。
② 食事療法
- ナトリウム制限
過剰な塩分摂取は心臓に負担をかけるため、食事管理が重要。 - ロイヤルカナンの「心臓サポート」
肥大型心筋症の猫向けに栄養バランスを最適化した療法食。 vet.royalcanin.jp prtimes.jp
3. 肥大型心筋症の予防法
肥大型心筋症は完全に防ぐことは難しい病気ですが、以下の方法でリスクを軽減できます。
- 定期的な健康診断(心エコー検査や血液検査)
- 適切な食事管理(タウリン・オメガ3脂肪酸の摂取)
- 遺伝的リスクが高い猫種の繁殖制限
📚 参考文献
- 【Franchini A et al (2021): J Feline Med Surg, 23, 708】
- 【Rush JE et al (2002): J Am Vet Med Assoc, 220, 202-207】
さいごに
Q.ところで外科療法は?
A.ありません。
そう、実は無いんです。猫の肥大型心筋症の外科療法。
別の心疾患を併発している際には、そちらに対して手術が実施されることはありますが、肥大型心筋症に対して有効な外科療法は現時点ではまだありません。
もしあったとしても獣医療における心臓外科は恐ろしく高額です、技術者も限られています。
多くの方にとって、動物の心臓病に対する外科手術は敷居が高いのが現状です。
さらに心臓病の多くは完治が難しいです。
基本的に発症したら、その後一生のお付き合いへ移行していくこととなります。
そして命に直結する病気なので我々としては非常に恐ろしいです。
だからこそ病気の早期発見と日頃のケアが大事なのだと思います。
前回も述べましたが、猫の肥大型心筋症は初期には無症状であることが多いです。
そのため、定期的な健康診断が非常に重要です。
特に、遺伝的リスクが高い猫種の飼い主さんは、定期的に心エコー検査や血液検査(NT-proBNP測定など)を受けることをおすすめします。
2月は猫の健康診断を行う病院が増え、良い時期かと思います。
ご家族と少しでも長く過ごせるように、今から備えていきましょう!
最後まで見ていただき
ありがとうございました!
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