はじめに

みなさんこんにちは!
前回はペットの寒さ対策についてお話ししましたね。
寒い季節の対策も大切ですが、これから訪れる暑い季節にも備えが必要です。特にペットは自分でエアコンをつけたり、水分補給の大切さを理解したりできません。
では、犬や猫は暑さを感じるのでしょうか?そして、暑さ対策はどのようにすればいいのでしょうか?そんなわけで今回は「ペットの暑さ」について詳しく解説していきます!
解説
そもそも犬や猫は暑さを感じる?

犬や猫も人間と同じように暑さを感じます。
しかし、犬や猫は人と違って汗をかいて体温調節をすることができません。
犬は主にパンティング(ハァハァと口を開けて呼吸すること)、猫は肉球の汗腺や毛づくろい(グルーミング)によって体を冷やします。
特に短頭種(フレンチブルドッグ、ペルシャ猫など)は呼吸がしにくいため、熱中症になりやすいです。
ペットが暑いかどうか確かめる
以下のポイントをチェックしてみましょう。

このような様子が見られたら、ペットが暑さを感じている可能性が高いです。
注意
時折、猫でも口を開けて呼吸をする様子が見られることがあります。 大事なこととして猫はパンティングによる体温調節はしません。したがって、 猫が口を開けて呼吸をしている場合は重篤な呼吸器疾患である可能性が極めて高いです。その場合は早急に動物病院を受診することを推奨します。
おうちでできる犬猫の熱中症対策
1.エアコン・扇風機を活用する

✔ 室温と湿度を適切に管理する
• 室温の目安は24~26℃が理想的です。特に暑さに弱い犬種や猫種の場合は、22℃前後に設定すると良いでしょう。
• 湿度は50~60%を目安に調整することが大切です。湿度が高すぎると、体の熱がこもりやすくなります。
• 除湿機やエアコンの除湿機能を使い、快適な環境を整えましょう。
✔ 扇風機やサーキュレーターを活用する
• 扇風機は直接ペットに当てるのではなく、空気を循環させるために使用することがポイントです。
• エアコンの冷気は下にたまりやすいため、サーキュレーターを使って冷たい空気を部屋全体に行き渡らせると効果的です。
✔ ペットが快適に過ごせる場所を作る
• エアコンの風が直接当たらない場所にも、涼めるスペースを確保しましょう。
• 大理石やタイルの床は熱を持ちにくく、ペットが自然に涼しさを感じることができます。
📌 補足:
短頭種(フレンチブルドッグ、パグ、ペルシャ猫など)は体温調節が苦手なため、特に暑さ対策を徹底することが大切です。
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2. 冷却グッズを使う
✔ ひんやりマットや冷感グッズを活用する
• ペット用のジェルマットやアルミプレートは、体温を下げるのに役立ちます。
• 大理石のプレートも自然なひんやり感があり、ペットが快適に過ごせます。
📌 注意点:
• 冷却グッズは冷えすぎに注意し、こまめに確認しながら使用しましょう。
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3. 水分補給を徹底させる

✔ いつでも新鮮な水を飲める環境を作る
• 水の器は複数設置し、ペットがすぐに飲めるようにしましょう。
• 水は1日に数回入れ替え、常に清潔で新鮮な状態を保つことが大切です。
• 流れる水を好む猫には、ペット用ウォーターファウンテンを使うと飲水量が増えることがあります。
✔ 水分摂取を促す工夫をする
• 水分補給が苦手な子のフードは多めのお湯でふやかして与えると良いことがあります。ただし、歯石がつきやすくなるので、若齢期から行うのはオススメしません。
• ウェットフードを増やすことで、水分摂取量を増やすことができます。ドライフードよりもウェットフードの方が約4倍の水分を含んでいます。
📌 注意点:
• 猫は腎臓が弱い傾向があるため、特に水分補給を意識しましょう。
• 飲水量が極端に減った場合は脱水のサインかもしれません。犬の目安は1日40-60ml/kg、猫は40-50ml/kgです。
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4. 散歩の時間を調整する(犬の場合)

✔ 暑い時間帯を避けることが大切
• 散歩は早朝(5〜7時)または夕方以降(18時以降)に行うのが理想です。
• 日中の外出は、熱中症のリスクが高いため避けましょう。
✔ アスファルトの温度を確認する
• 手のひらや足で5秒間触り、「熱い」と感じたら散歩には適していません。
• アスファルトの温度は、気温+10~15℃になることがあるため注意が必要です。
(例: 気温30℃の場合、地面は40℃以上になる可能性があります。)
✔ 水分補給を忘れずに行う
• 散歩の前後に必ず水を飲ませるようにしましょう。
• ペット用の携帯ウォーターボトルを持ち歩くと、外出先でも水分補給がしやすくなります。
✔ クールウェアや冷却バンダナを活用する
• 水に濡らして着用するタイプのクールウェアは、蒸発冷却の効果で体温を下げるのに役立ちます。
• 首に巻く冷却バンダナやクールネックも有効です。
📌 補足:
短頭種やシニア犬、肥満犬は熱中症になりやすいため、散歩は短めにし、こまめに休憩を取ることが重要です。
復習問題
それでは問題を解いてみましょう!

犬猫の熱中症対策クイズ!
3問すべて正解できるでしょうか?
各設問をクリックして答えてみてください。
【Q1】 真夏の散歩で最も安全な時間帯は?
真夏はアスファルト温度が日中 50℃ 近くまで上昇し、
肉球火傷や熱中症リスクが高くなります。
日の出前・日没後に散歩時間をずらし、
日陰が多いルートや芝生を選ぶことが大切です。
【Q2】 犬猫を車内で待たせても良い時間は?
夏の密閉車内はわずか 10分で40℃超 に達することもあり、
窓を開けても換気が追いつきません。
エアコンをかけたままでも機械トラブルで停止するケースがあるため、
「短時間でも車内放置しない」 が原則です。
【Q3】 熱中症が疑われたとき最初に取るべき応急処置は?
まず日陰・室内へ移動し、濡れタオルや保冷材を
首・脇・内股など大きな血管が通る部位に当てて 段階的に冷却 します。
急激な氷水シャワーは血管収縮で逆に体内熱を逃がせず危険。
体温を 39℃ 台まで下げるのが目安です。
同時に 動物病院へ連絡 し、指示を仰いでください。
室温管理、水分補給、冷却グッズの活用など、飼い主ができる対策をしっかりと実践しましょう。
暑い季節も快適に過ごせるよう、日々のケアを大切にしてください!