はじめに
猫のフケ、どうやって減らす?

まずは前回のまとめからです!
前回の振り返り
☑️ 猫のフケは、皮膚の角質が剥がれ落ちたもの。少量なら正常だが、大量に出る場合は注意が必要。
☑️ 主な原因は①乾燥②皮膚病③栄養不足④寄生虫⑤ストレスや過剰グルーミングなど。
☑️ 症状としては、白いフケの付着、皮膚の赤み、かゆみ、脱毛、皮膚のベタつきが挙げられる。
☑️ 乾燥や栄養バランスを見直し、原因に応じた適切なケアが大切。
猫のフケは、軽度であれば特に問題はありませんが、大量に発生すると健康トラブルのサインかもしれません。
乾燥や栄養不足、皮膚病などの原因によってフケが増えるため、それぞれに適した対策を行うことが重要です。
今回は、フケを減らすための具体的なケア方法について詳しく紹介します。
題して
猫のフケ対策完全ガイド
です!ぜひ最後までお付き合いください!
猫のフケ対策
① 食事の見直し

バランスの取れた食事は、皮膚の健康維持に不可欠です。
必須脂肪酸(オメガ3・オメガ6)を補う
🐾 オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
抗炎症作用があり、皮膚の健康をサポートします。サーモンオイル、フィッシュオイルなどに含まれていることが多いです。
🐾 オメガ6脂肪酸(リノール酸)
皮膚のバリア機能を強化します。鶏肉、大豆油、サフラワー油などに含まれていることが多いです。
水分摂取を増やす

猫は本来、あまり水を飲まない動物ですが、水分不足は皮膚の乾燥を悪化させ、フケの原因になります。
十分な水分を摂取することで、皮膚のバリア機能を維持し、健康な被毛を保つことができます。
特にドライフード中心の食生活の猫は、意識的に水分補給を促す工夫が必要です。
ウェットフードの活用
ウェットフードは水分を約70~80%含んでおり、効率的に水分補給ができます。
ドライフードと混ぜて与えることで、猫の嗜好性を高めつつ、皮膚の乾燥を防ぐことができます。
特に皮膚トラブルのある猫には、皮膚の健康をサポートする成分を含んだウェットフードを選ぶとよいでしょう。
ただし、全てウェットフードにすると体重の増加や歯石の付着が見込まれるのでバランスよく与えるようにしてください。
流水器や複数の給水場所を用意
猫は動いている水を好む傾向があり、流水器(ウォーターファウンテン)を使うと飲水量が増えやすくなります。
また、家の複数の場所に水皿を置くことで、猫がこまめに水を飲める環境を作るのも効果的です。
水の温度や容器の材質(ガラスや陶器の方が好まれる場合が多い)にも気を配ると、飲水量が増えることがあります。
皮膚の健康をサポートする療法食
• ヒルズ z/d(食物アレルギー・皮膚ケア)
特徴
加水分解された動物性タンパク質(サーモンやダック)が主原料で、アレルギー反応を起こしにくい設計。
効果
食物アレルギーによる皮膚炎やかゆみを軽減し、健康な皮膚を維持するのに役立ちます。
こんな猫にオススメ
皮膚の赤みやフケ、かゆみがあり、食物アレルギーの可能性がある猫。
• ロイヤルカナン スキン&コート
特徴
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)やビタミンB群を豊富に含み、皮膚のバリア機能をサポート。
効果
皮膚の健康維持や炎症の軽減に役立ち、乾燥によるフケやかゆみを改善します。
こんな猫にオススメ
皮膚の乾燥が気になる猫や、環境アレルギーによる皮膚トラブルを抱える猫。
② ブラッシングで清潔に

定期的なブラッシングは、抜け毛やフケの除去だけでなく、皮膚の血行促進にも役立ちます。
適切なブラシを使い、優しくブラッシングすることで、皮膚への刺激を最小限に抑えられます。
短毛種:週2~3回
短毛種は毛が絡まりにくいですが、古い角質が皮膚に残りやすいので、定期的なブラッシングが重要です。
ラバーブラシやスリッカーブラシを使うと、抜け毛やフケを効率的に取り除けます。
長毛種:毎日~週5回
長毛種は毛玉ができやすく、フケが毛の奥に溜まりやすいため、こまめなブラッシングが必要です。
目の細かいコームやスリッカーを使い、絡まりやすい首元やお腹も丁寧にブラッシングしましょう。
ポイント
ブラッシング後に湿らせたタオルで拭く
乾燥したフケは毛に付着しやすいため、ブラッシング後に湿らせたタオルで優しく拭き取ると効果的です。
静電気の発生を抑えながらフケを除去できるので、特に冬場や乾燥する季節におすすめです。
ブラッシングの参考動画はこちら↓
③ 環境の見直し

空気の乾燥は、猫の皮膚の水分を奪い、フケの発生を促します。
適切な湿度管理を行い、猫の皮膚を健康な状態に保つことが大切です。
加湿器の使用(湿度40~60%を維持)
室内の湿度が40%を下回ると、猫の皮膚が乾燥しやすくなります。
加湿器を使って湿度を40~60%に調整し、皮膚の乾燥を防ぎましょう。
空気清浄機でホコリ・アレルゲンを除去
ホコリや花粉、カビなどのアレルゲンが皮膚に付着すると、炎症やフケの原因になります。
空気清浄機を活用して、空気中の不純物を除去すると、皮膚の健康維持に役立ちます。
猫の寝床を清潔に保つ(週1回以上の洗濯)
寝床が汚れていると、皮脂やフケが溜まり、皮膚トラブルを引き起こしやすくなります。
猫のベッドやブランケットは、こまめに洗濯し、常に清潔な環境を保ちましょう。
④ シャンプーやスキンケア

基本的に猫は自身でグルーミングを行うため頻繁にシャンプーを必要としません。ただ、皮膚の状態に応じたケアを行うことで、フケの改善につながります。
シャンプーが苦手な猫には、拭き取りタイプのケア用品を活用するのもおすすめです。
そして基本的に猫は水を嫌う生き物です。特に心疾患や運動器疾患など健康面に問題がある場合は無理にシャンプーを実施せず、獣医師に相談した上でケアを行うようにしましょう。
低刺激シャンプーを使用
皮膚が敏感な猫には、抗炎症作用や保湿成分を含んだ低刺激シャンプーが適しています。
「アデルミルシャンプー」は皮膚のバリア機能をサポートし、「マラセブシャンプー」は抗真菌・抗菌効果があり、皮膚感染症にも対応できます。ちなみにマラセブシャンプーは犬用と書いてありますが猫にも使用できます。
ただし、基本的には獣医師の処方の下で実施するようにしてください。
シャンプーの頻度
シャンプーのしすぎは皮脂を過剰に落としてしまい、逆に皮膚の乾燥を引き起こします。
月1回程度を目安にし、皮膚トラブルがある場合は、獣医師の指導のもと適切な頻度で行いましょう。
水を嫌がる猫には
水を怖がる猫には、洗い流し不要のシャンプータオルや保湿スプレーを使うと、ストレスを最小限に抑えられます。
特に、乾燥が原因でフケが出ている場合は、皮膚の水分を補う保湿スプレーが効果的です。
復習問題
それでは問題を解いてみましょう!

猫のフケ対策クイズ!
3問に挑戦して、愛猫のスキンケア力をチェックしましょう🐾
【Q1】 フケ対策として 食事 で優先的に補いたい栄養素の組み合わせは?
オメガ3(EPA・DHA)とオメガ6(リノール酸)は皮膚バリアを強化し、
抗炎症作用でフケやかゆみを軽減します。
サーモンオイルやフィッシュオイル、鶏肉・大豆油などで補いましょう。
【Q2】 長毛種の猫で、フケ防止のために推奨される ブラッシング頻度 は?
長毛種は毛玉ができやすく、フケも毛の奥に溜まりやすいため
毎日〜週5回の丁寧なブラッシングが理想的。
絡まりやすい首元・お腹もコームやスリッカーで優しくケアしましょう。
仕上げに湿らせたタオルで拭くとフケ除去&静電気防止に◎。
【Q3】 室内の湿度管理で、猫の皮膚乾燥を防ぐ 適正湿度 とされる目安は?
湿度40〜60%を保つと皮膚の水分蒸散を抑え、
乾燥性フケの発生を防止できます。
加湿器+空気清浄機でホコリ・アレルゲンも除去し、
清潔な寝床を保つことが総合的なフケ対策につながります。
参考文献
•Miller WH, Griffin CE, Campbell KL. Muller and Kirk’s Small Animal Dermatology. 7th ed. Elsevier; 2013.
•Moriello KA. Small Animal Dermatology for Technicians and Nurses. Wiley-Blackwell; 2017.
•Bauer JE. “Therapeutic use of fish oils in companion animals.” J Am Vet Med Assoc. 2011.
特に、オメガ3脂肪酸の補給や乾燥対策は効果的。
もしフケが改善しない場合は、皮膚病の可能性も考え、早めに獣医師に相談しましょう。
今回はここまでです!
また次回お会いしましょう!
最後まで見ていただき
ありがとうございました!
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