
はじめに
みなさんこんにちは!
前回は猫の糖尿病について解説しましたね。
まずは復習から行きましょう!
前回の振り返り
☑️ 猫の糖尿病とは?
インスリンの作用不足により血糖値が高くなる病気です。
☑️ 主な症状は?
多飲多尿、体重減少、食欲増加などが見られます。
☑️ 犬とはどう違う?
糖尿病とは異なり、猫では2型糖尿病が多く、インスリン抵抗性が関与しています。
思い出しましたか?
今回は、猫の糖尿病治療に新たな選択肢として注目されている経口薬「センベルゴ」について詳しく解説します。
解説
センベルゴの概要

センベルゴは、猫の糖尿病治療のために開発された 経口投与可能 な新薬です。
従来のインスリン注射とは異なり、1日1回の投与で血糖値の管理が可能となります。
この薬は、特に インスリン注射が難しい猫 や、 飼い主の負担を軽減したい場合 に有効です。
作用機序
センベルゴの有効成分であるベラグリフロジンは、 腎臓での糖の再吸収を抑制することで、余分な糖を尿中に排出します。
従来の治療がインスリンを補充するのがほとんどだったのに対し、センベルゴは余分な糖を尿中に出してしまおうという発想です。
これにより、血糖値の低下を促進します。
インスリンの分泌を直接刺激しないため、低血糖のリスクが低いとされています。
使い方
⚠️獣医師の処方のもと使用してください。
センベルゴは、1日1回、体重1kgあたり1mgを専用のシリンジで計量し、直接口腔内に投与するか、少量のフードやおやつに混ぜて与えます。
🐾 副作用
本剤投与後に
・下痢又は軟便
・多飲及び多尿
・体重減少
・脱水
・嘔吐
・流涎
・糖尿病性ケトアシドーシス及び糖尿病性ケトン尿症
また本剤の投与又は糖尿病の影響により、尿中にグルコースが排泄されるため、膀胱炎を含む尿路感染症が見られることがあります。
副作用が見られたら必ず獣医師に相談しましょう。
注意点
🐾 尿検査の実施
センベルゴ使用中は、定期的に尿検査を行い、尿中のケトン体の有無を確認することが重要です。
ケトン体が検出されると、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)という命に関わる状態に進行するリスクがあります。
また、事前の検査でこのケトン体が尿中に出ている場合はセンベルゴの使用はできません。
🐾 血糖値のモニタリング
血糖値の変動を把握し、適切な治療計画を維持するために、定期的な血糖値の測定が必要です。
🐾 犬では使えない
現在、センベルゴは猫の糖尿病治療薬として承認されていますが、犬での使用は推奨されていません。
その理由として犬と猫では糖尿病の病態や薬物の代謝が異なるため、効果や安全性が確立されていないことが挙げられます。
犬の糖尿病治療には、犬専用の治療法や薬剤が推奨されます。
【徹底比較】
インスリンVSセンベルゴ
項目 | インスリン療法 | センベルゴ |
---|---|---|
投与方法 | 皮下注射(1日1~2回) | 経口投与(1日1回) |
作用機序 | インスリンを補充し、血糖値を下げる | 腎臓での糖の再吸収を抑制し、尿中に排出 |
メリット | 血糖コントロールが安定しやすい | 注射不要で、投与が簡単 |
デメリット | 毎日の注射が必要、低血糖リスクあり | ケトアシドーシスのリスク、費用が高め |
費用 | インスリン代 + 注射器代が継続的に必要 | 1本 約35,000~40,000円(病院による) |
本日の復習問題
Q.1 センベルゴの主な作用機序は?
正解だと思うものをクリック!
Q.2 センベルゴの正しい投与方法は?
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Q.3 センベルゴ使用時の注意点は?
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今回紹介したセンベルゴも良い点はいっぱいありますが、悪い点もそれだけあります。
それぞれの家庭によりメリットがデメリットになることもありますし、その逆も然りです。
ですので、まずは専門家の意見を伺いつつ、自分と家族に合ったやり方を試していくことが重要です。
また、私が言うのもアレですが、情報は必ず複数のものを参考にするようにしましょう。
どのような情報を得ようとも最終的に判断するのは皆さんです。
後悔しないためにも大事な選択の前にはやれることはやっておきましょう
それでは今回はここまで。
また次回お会いしましょう!
最後まで見ていただき
ありがとうございました!
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