猫の慢性腎臓病を克服できる?話題のAIMとは

はじめに

みなさんこんにちは!

先日一般社団法人AIM医学研究所より

株式会社IAM CATの公式HPが公開されました。

iamcat.co.jp

いきなり何のこと?

という方に軽くおはなしすると

AIM (Apoptosis Inhibitor of Macrophage)

とはタンパク質の一種であり

近年、猫の慢性腎臓病の治療法に役立つ可能性が示されています。

そんなわけで今回はAIMについて!

と、行きたいところなのですが

アイコン画像

飼い主

そもそも慢性腎臓病ってどんな病気?

という方のためにまずはそちらから解説します。

題して

AIMの前に知っておく!
猫の慢性腎臓病の知識

についてご紹介します!

猫の慢性腎臓病とは?

慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)とは、腎臓の機能が徐々に低下し、老廃物を適切に排出できなくなる病気です。

猫は特にこの病気になりやすく、10歳以上の猫では発症率が30~40%にもなるといわれています(Brown et al., 2016)。

検査・診断

① 尿検査(尿比重・尿タンパク)

一般に血液検査を行う前には尿検査が実施されます。

腎臓を評価する主な項目は以下の2つですが、他にも複数の項目を見ることで尿石症や糖尿病、膀胱炎などの評価にも使えます。

  • 尿比重(USG)
    正常値は1.035以上、慢性腎臓病では1.020以下になることが多いです。ただし、1回の検査では判断しません。尿比重が一番高くなる朝一番、水やご飯を与える前に適切に採取されたものを複数回検査して、なお比重が低いようであれば血液検査へと移行します。
  • 尿タンパク/クレアチニン比(UPC)
    UPC値が0.4以上、複数回続くようなら腎疾患を疑います。

② 血液検査(BUN・クレアチニン・SDMA)

尿検査にて腎臓病が疑われたら、血液検査を実施します。

腎臓の機能を評価するために以下の項目を測定します。

  • クレアチニン(CRE)
    腎機能が 75%以上失われると上昇します(Brown et al., 2016)。
  • BUN(血中尿素窒素)
    腎臓が老廃物を排出できないと上昇しますが、脱水や高タンパク食でも増加します。
  • SDMA(対称性ジメチルアルギニン)
    腎機能が約40%低下した段階で上昇します。クレアチニンより早期の診断に適しています(Hall et al., 2014)。

血液検査の基準値(猫)

  • BUN:16~36 mg/dL
  • クレアチニン:0.8~1.8 mg/dL
  • SDMA:0~14 μg/dL

主な症状

猫の慢性腎臓病(CKD)は初期では目立った症状がなく、進行すると徐々に以下のような症状が現れます。

  1. 多飲多尿
    腎臓の濾過機能が低下すると、尿を濃縮する能力が衰え、薄い尿が大量に排泄されます。その結果、体が脱水を補うために水を多く飲むようになります(Polzin, 2013)。
  2. 食欲不振・体重減少
    老廃物の蓄積により食欲が低下し、体重が減少します。進行すると筋肉量も減少し、背骨や腰骨が目立つようになります(Brown et al., 2016)。
  3. 嘔吐・口臭
    腎機能が低下すると体内の毒素(尿毒素)が排出されにくくなり、嘔吐や口臭が発生します。口の中に潰瘍ができることもあり、さらに食欲が落ちる原因になります(Langston, 2004)。
  4. 被毛のツヤが悪くなる
    栄養状態の悪化により被毛がパサパサになり、毛づくろいの回数も減るため、毛並みが悪くなります(Elliott & Syme, 2015)。
  5. 貧血
    腎臓で作られるエリスロポエチン(赤血球を作るホルモン)が減少し、貧血を引き起こします。そのため、CKDの猫はぐったりして動かなくなることが多くなります(Langston, 2004)。
  6. 高血圧による影響(目の異常・失明)
    慢性腎臓病の猫の約20~30%が高血圧を併発し、それが原因で網膜剥離(失明)や神経症状(ふらつき・発作)を起こすことがあります(Elliott & Syme, 2015)。

復習問題

それではこれらの内容を踏まえて問題を解いてみましょう!

わからなければ解説を見直してみてください!

獣医師キャラ

クイズ

おわりに
今回は猫の慢性腎臓病について、その概要、原因、検査方法、治療法について解説しました。
AIMを見に来た熱心な皆さんごめんなさい!
まずは正しい理解のために、慢性腎臓病の概要を述べさせていただきました。
次回はちゃんと今注目されているAIM療法について詳しく掘り下げます!
そもそもAIMとは何なのか?
AIMがどのように腎臓病を改善するのか?
どの段階まで研究が進んでいるのか
などなど最新の知見をお届けしますのでお楽しみに!

最後まで見ていただき

ありがとうございました!

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